公募研究:令和4年度学術変革領域研究(A)

機械学習によるネグレリアグルベリの走化性および走触性応答の同時推定

研究代表者
上道 雅仁(東京大学大学院総合文化研究科 広域科学専攻)

単細胞生物は、周囲にある化学物質を感知しながら動くことによって、より良い環境に身を置こうとします。本研究では、深層学習により細胞運動と化学物質濃度の関係を抽出することで、細胞の物資への応答を含んだ運動を数理モデル化します。
始めに、流体デバイスやマイクロパターニングの技術を用いて単一の化学物質が非一様に存在する環境を液中または培養基質の上に作成し、その中で単細胞生物であるネグレリアグルベリの運動を観察します。次に、得られた観察データについて、事前の細胞の状態や物資濃度が事後の細胞の状態に与えた影響を推定できる深層学習手法を確立します。最後に、複数の物質が非一様に存在する環境でネグレリアグルベリの運動を観察し、深層学習に通します。これにより、事後の細胞状態を事前の細胞状態や物質濃度で表わす数理モデルを得ます。さらに、このようにして得られた数理モデルを既存の力学モデルの知見に照合し、化学物質応答の法則を解明します。

機械学習によるネグレリアグルベリの走化性および走触性応答の同時推定

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