公募研究:令和4年度学術変革領域研究(A)

ジオラマ環境下での自由遊泳下ゾウリムシ膜電位の光学計測で解析する原生知能

研究代表者
冨永 貴志(徳島文理大学神経科学研究所/香川薬学部)

ゾウリムシは100年以上も動物行動のモデル生物として利用されている。特に1970年代以降は「泳ぐ神経細胞」「泳ぐ受容体」として、膜電位応答、カルシウム等の細胞内信号伝達系の挙動で、その行動を予測できる重要な一種の生物機械モデルである。これらの知見は、ゾウリムシの大きさを利用した2本刺しの膜電位固定を含む高精度の電気生理学に裏打ちされたものである。ところが近年、さらに詳細な行動解析から、この知見を超える知能ともいえる行動制御の仕組みを持っていることが明らかになりつつある。一方、げっ歯類を中心にした脳研究の中から、ヒトを含む高等動物と異なる知能をもった生物モデルの研究が重視されつつある。
申請者は膜電位イメージングという手法を用いて海馬を中心とした脳の高次機能を研究している。この手法をゾウリムシに適用し、自由行動下の、複数のゾウリムシの膜電位の同時読み出しを行うことを企画した。この手法を用いることで、ゾウリムシが従来の生物機械的な理解を超える知能(原生知能)を持つこと、またその仕組を明らかにする。

ジオラマ環境下での自由遊泳下ゾウリムシ膜電位の光学計測で解析する原生知能

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