公募研究:令和4年度学術変革領域研究(A)

トキソプラズマにおける寄生環境適応能力の細胞生物学的解析

研究代表者
永宗 喜三郎(国立感染症研究所 寄生動物部)

(単細胞)生物が潜在的に有している根源的な環境適応能力を「原生知能」とよぶのであれば、寄生生物として宿主体内環境へ適応する能力こそがまさにそれに相当する。本研究では 非常に高度な「原生知能」を有する寄生生物トキソプラズマを対象に、寄生生物の持つ「原生知能」のひとつである「宿主体内で効率よく栄養やエネルギーを獲得する能力」、すなわち宿主オルガネラリクルート機構を解明するために最適な「ジオラマ環境」を構築し、宿主オルガネラリクルート機構の分子メカニズムの解明を目指す。そのために本研究ではまず、すでに同定済みの新たな2つのリクルート因子候補が実際に宿主オルガネラのリクルートに関与していることを、リバースジェネティクス的手法を用いて明らかにする。さらに、それぞれのリクルート因子と相互作用しているタンパク質を同定することにより、リクルート因子群の網羅的な同定を試みる。

トキソプラズマにおける寄生環境適応能力の細胞生物学的解析

図:トキソプラズマは自身を包む膜の近辺に宿主ミトコンドリアや小胞体をリクルートする。
T: トキソプラズマ, *:宿主ミトコンドリア,#:宿主小胞体,bar: 1µm

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