公募研究:令和4年度学術変革領域研究(A)

機械モデルと細胞観察でひもとくストレスファイバ回転の力学

研究代表者
岩楯 好昭(山口大学理学部)

アメーバ運動中の魚類表皮細胞ケラトサイトの細胞体内では、ちょうどラグビーボールの縫い目に沿うように複数配列したストレスファイバが、車輪のように回転している。ストレスファイバは本来、直線的な収縮動作しかしない。本研究の目的はストレスファイバの直線収縮が回転に変換される機構の解明である。様々な人工的な動力機械で直動−回転変換は重要な役割を担っているが、一世紀以上の歴史のあるエンジンでさえ、ピストンの直線運動の回転への変換にはクランクシャフトのような複雑な機構を要する。生物には人工機械に無いやわらかいという特性がある。本研究ではストレスファイバの収縮によりやわらかい細胞質が変形し基質を蹴ることで回転トルクが生じるという仮説を立て、細胞観察と機械モデル製作という生物学・工学的手法を組み合わせて仮説を立証する。本研究の成功は、近年注目を集める生物模倣による移動体のソフトロボットへの応用が期待できる。

機械モデルと細胞観察でひもとくストレスファイバ回転の力学

令和4年度公募研究に戻る

ページトップへ