ジオラマ行動力学
Ethological dynamics in diorama environments
Ethological dynamics in diorama environments
文部科学省科学研究費 助成事業 「学術変革領域研究(A)」 ジオラマ環境で覚醒する原生知能を定式化する細胞行動力学
アルゴリズム評価班(B02)は、粘菌が迷路の最短経路を探索するアルゴリズムなどを解明している中垣と、微細藻類の集団運動モデルを構築している飯間で構成されています。公募研究を含めた他班のアルゴリズムの検証を行い、各研究課題にフィードバックします。
繊毛虫・アメーバの集団的空間探査と空間活用のアルゴリズムの解明
2つのテーマを3つの作業ステップ(実験、力学解析、アルゴリズム分析)で実施します。
(1) 多彩な空間構造に適応したコロニーと輸送網の共発展パターン:粘菌と人社会の比較
真正粘菌モジホコリの変形体という巨大アメーバ生物は、身体全体にわたって網目状に広がる管ネットワークを作り、外的環境に応じて自在に再構築します。その肝は、意外と単純な「流量強化則」、すなわち流れの活発な管は太り、そうでない管は痩せるという適応性した(Nakagaki et al., Nature 2000; Tero, et al., Science 2010)。この成果を発展させるべく、人間社会と街と交通網の共発展現象や種々生物系の環境適応的なネットワーク構築現象などを調べます。
(2) 繊毛虫・微細藻類の集団遊泳による効率的な三次元空間探査:生物対流から空間形状適応的な個体分布動体へ
繊毛虫や微細藻類は、個体レベルの走性(重力や光などへの反応性)に基づいて水面付近に集合し、それによりトップヘビーな密度分布となって対流現象を引き起こします。生物対流パターンは、個体のスケールを大きく超えた構造の形成で、それが多様な空間形状に応じてどのようなパターンを形成するのか、さらにその空間活用の生理的・生態的意義についてはいかなるものか、を種々の繊毛虫・微細藻類で探索し分析します。
迷路の短い経路に沿って管状の体を形成する変形菌モジホコリ の変形体
北海道大学電子科学研究所
教授 中垣 俊之
1989年北海道大学薬学研究科修士課程修了、製薬企業勤務を経て、通信制高校非常勤講師を勤めながら1997年名古屋大学大学院人間情報学研究科博士課程修了(学術博士)。
理化学研究所 基礎科学特別研究員・フロンティア研究員、北海道大学電子科学研究所 助教授(途中から准教授)、公立はこだて未来大学複雑系知能学科 教授を経て、2013年より現職。
北海道大学
電子科学研究所
博士研究員 Charles Fosseprez
北海道大学
電子科学研究所
博士研究員 谷口 篤史