ジオラマ行動力学
Ethological dynamics in diorama environments
Ethological dynamics in diorama environments
文部科学省科学研究費 助成事業 「学術変革領域研究(A)」 ジオラマ環境で覚醒する原生知能を定式化する細胞行動力学
ジオラマおよびパノラマ環境で有害赤潮藻の日周鉛直運動を調査している紫加田と、卵に向かって方向変換する精子の鞭毛運動を研究している柴で構成されています。必要に応じて公募研究を含めた他班に実験データを供給する役割を担います。
ジオラマ環境下における精子走化性の応答計測とメカニズムの解明
精子は、さまざまな外的環境因子に対して、走化性、走流性、走温性など多様な応答を示し、受精という最終目標に到達する卓越した原生知能を有する単細胞です。本研究では、精子走化性応答に着目し、誘引物質濃度勾配存在下における精子の運動、遊泳方向変換をもたらす鞭毛波形変化、シグナル受容を測定し、応答メカニズムを解析します。実際の受精環境を模擬したジオラマ環境下での精子応答を計測、解析することで、これまで見出すことのできなかった卓越した精子の行動力、運動能力、適応力の理解を目指します。
ホヤ精子の鞭毛派
卵に向かって方向変換するときのホヤ精子鞭毛波形
ホヤ精子鞭毛内カルシュウムイメージング(細胞内カルシュウム濃度を反映している蛍光輝度を疑似カラー表示している)
サンゴが放精しているときの様子
筑波大学生命環境系・下田臨海実験センター
助教 柴 小菊
2005年お茶の水女子大学人間文化研究科修了(博士(理学))
東京大学三崎臨海実験所研究員、筑波大学下田臨海実験センター研究員を経て現職
専門は細胞生物学、海洋生物学、生殖生物学