公募研究:令和4年度学術変革領域研究(A)

緑藻精子の集団-独立体制転換に伴う運動変化の基盤解明

研究代表者
豊岡 博子(法政大学 生命科学部 生命機能学科)

有性生殖は、生物が過酷な環境を生き抜くための戦略の1つであり、その過程で配偶子同士がいかに効率よく出会い、接合を達成するかは、種の存続に関わる重要な問題です。本研究では、緑藻ボルボックス系列の受精に見られる、オス側の配偶子が集団(精子束)から独立した細胞(精子)へ体制転換するシステムを、確実に受精を達成するための卓越した原生知能システムと捉え、その基盤となる細胞構造と分子機構を解明することを目的とします。これまで、精子束の形成とその体制変換を効率よく誘導する実験系はありませんでしたが、研究代表者らはボルボックス系列のユードリナの精子束を効率よく誘導する実験系を確立し、それが精子体制変換の解析に適していることを見いだしました。本研究では、精子束を解体する因子(精子ライシン)を同定してそれを外部から投与することで、人為的に効率よく体制変換を誘導し、精子が集団型から独立型という根本的に異なる体制に転換するにもかかわらず、それぞれが適切に遊泳し、効率よく受精を達成する機構を明らかにします。

緑藻精子の集団-独立体制転換に伴う運動変化の基盤解明

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