公募研究:令和6年度学術変革領域研究(A)

海生酵母の原生知能探究

研究代表者
五島 剛太(名古屋大学菅島臨海実験所)

近海から単離した黒色酵母数種が、培養液の栄養状態に応じて多細胞性と単細胞性の生活を切り換えることを最近見出した。本研究では、以下の仮説を検証する。「海生酵母は周辺環境(特に栄養源)を感知し、基質接着に適した『定着型』の多細胞体と、水流で移動できる『行動型』の単細胞体を切り換える。この表現型の可塑性は、複雑な野外環境において酵母が獲得した原生知能である」。仮説検証のため、1)ジオラマ環境下での細胞生物学、遺伝学、トランスクリプトーム解析を通じて、表現型可塑性の基盤となる分子・細胞機構を解明する。2)野外調査を基に、どのような酵母種がどう巧みに表現型可塑性を活かして増殖しているのかを解明する。この研究を通じて、「生物種の垣根を越えた原生知能の行動力学探究」への貢献を目指す。

海生酵母の原生知能探究

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