公募研究:令和6年度学術変革領域研究(A)

ジオラマ環境を利用した植物根毛のもつ頑健な細胞極性維持機構の理解

研究代表者
四方 明格(自然科学研究機構 基礎生物学研究所 植物環境応答研究部門)

顕花植物の根の表面からは、根毛と呼ばれる単一の細胞から成る細長い管状の構造が無数に発生している。根毛が外部環境へと露出することで根の表面積が増加し、土壌からの水分・栄養分の吸収の効率化が図られていると考えられている。被子植物の根毛は特に直線状に成長する性質をもち、その成長が障害物により物理的に撹乱されても、根毛は再び元の成長方向に向かって成長を始める。一方で、刺激次第でその成長様式も影響を受けることを私たちは見出している。このように根毛の成長は自律的に、特定のアルゴリズムに則って制御されていると示唆されるが、それを実行する仕組みは明らかになっていない。この成長アルゴリズムを理解するため、本研究では通常観察の困難な土壌中の環境を、特に粒子環境をマイクロ流体デバイス内でジオラマ化し、土壌中における根毛の振る舞いを再現する。特に、障害物との衝突という物理的刺激が根毛に印加された際の成長の変化や細胞内の分子動態を観察し、定量化を介して、細胞の成長アルゴリズムを導き出す。また、その分子メカニズムの解明を目指す。

ジオラマ環境を利用した植物根毛のもつ頑健な細胞極性維持機構の理解

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