公募研究:令和6年度学術変革領域研究(A)

輸送管ネットワークによる粘菌の学習機構の統一的理解

研究代表者
高松 敦子(早稲田大学 理工学術院)

輸送管ネットワークで構成される「粘菌」が持つ知のメカニズムを明らかにすることを目指す。モデル生物である真正粘菌変形体は、多核の単細胞生物であ。構成が単純であるにも関わらず、迷路を解いたり、慣れ・連想記憶のような学習ができるなど、原始的ではあるが「知」ともいえる現象が次々発見されている。粘菌の学習メカニズムについては、振動子系、力学系に見立てた 数理的立場からの仮説や、細胞の分子メカニズムによる仮説などが提案されているが、多様な入 力刺激に対して統一的に説明する仮説はいまのところない。私たちは、学習のメカニズムは粘菌が形成する輸送管ネットワーク構造にあると予想する。本研究では、ジオラマ環境下に配置した粘菌の学習過程で獲得される輸送管ネットワーク構造の変化を定量解析しその機構を探る。それを踏まえて、 輸送管ネットワーク形成の数理モデル構築を通し、学習のアルゴリズムを抽出する。ニューラル ネットワークの構造との比較により、最も原始的な知のアルゴリズム解明を目指す。

輸送管ネットワークによる粘菌の学習機構の統一的理解

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