公募研究:令和6年度学術変革領域研究(A)

流体力学に立脚した精子走性計算力学モデルの構築

研究代表者
大森 俊宏(東北大学)

精子は卵から発せられる誘引物質を感知するとダイナミックに鞭毛打を変化させ,卵の方向に向かって泳ぐ「走化性」と呼ばれる性質を示す.走化性が達成されるためには,環境中に存在する誘引物質の濃度勾配を感知し,その濃度場に応じて適切に鞭毛運動を変化させ,自身の遊泳を卵に向けて方向転換する必要がある.この一連の行動変化は一体どのようなダイナミクスによって達成されるのであろうか?本研究では,ホヤ精子を題材に,誘引物質濃度勾配依存的に流入するCa2+動態,Ca2+依存的なダイニン活性の制御機構を表現する力学モデルを打ち立てる.これによって,誘引物質感知を起点とする鞭毛内部での「力」の時空間変動を定量化し,濃度場と精子遊泳との連成問題を力学的な数理モデルとして記述することを目指す.実験的に計測が困難な鞭毛に働く力の分布を明らかにすることで,鞭毛ダイナミクスを基盤とした走化性の力学機構を明らかにする.

流体力学に立脚した精子走性計算力学モデルの構築

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