公募研究:令和6年度学術変革領域研究(A)

単細胞集団の知能形成に対する統計力学理論の応用

研究代表者
吉森 明(新潟大学理学部)

本研究では、繊毛虫などの単細胞生物や精子などの単細胞が集団になったときの環境適応能力を明らかにする。単細胞が集団になった時、細胞間の相互作用により細胞の運動や分布が、単独で存在する場合と異なる。その違いが外部環境への適応に影響する可能性がある。例えば、細胞同士が互いに侵入できない性質から生じる排除体積効果が考えられる。この効果は単細胞の壁面への集積を引き起こす。本研究ではこの問題を統計力学の理論を用いて解明する。特に液体の分野で使われる動的密度汎関数理論の拡張を検討する。この理論は個々の粒子ではなく密度場に注目しその時間変化を計算する。単細胞の運動方程式を粗視化することによりこの理論を拡張する。単細胞生物集団に応用できるよう拡張できれば、環境適応能力を知能と考えたときの単細胞生物集団の知能を明らかにできる。

単細胞集団の知能形成に対する統計力学理論の応用

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