公募研究:令和4年度学術変革領域研究(A)

鉛直環境における遊泳微細藻類の行動学

研究代表者
鹿毛 あずさ(学習院大学理学部物理学科)

微細藻類の遊泳において重力は重要な要素です。自然界では赤潮藻類の日周鉛直移動が有名です。実験室レベルでは、個体が重力に逆らって泳ぐ負の重力走性、重力と負の重力走性に駆動された集団運動である生物対流が知られています。微細藻類の鉛直方向の運動を可視化した研究は過去にあるものの、重力走性と日周鉛直移動との関係は明確にはわかっていません。微細藻類の運動を可視化するためには光学顕微鏡を使うことが通常ですが、メートル以上のスケールの現象である日周鉛直移動を個体レベルで解明するためには、通常の光学顕微鏡(視野数百µm四方)よりも広い視野が必要であると考えられます。本研究はジオラマ環境として鉛直環境を実験室内で再現し、広視野水平顕微鏡を用いて鉛直環境での微細藻類の行動を徹底的に可視化・解析します。得られた軌跡を機械学習の手法で分類し、微細藻類はどのように重力に応答して運動するのか、特に赤潮藻類はどのように日周鉛直移動を行うのかを個体レベルで明らかにします。

鉛直環境における遊泳微細藻類の行動学

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